2016/04/30

モザンビークの警察

先週金曜日、ドライバーのJorgeが留置所から出た。
10日間も留置所にいた彼、出るときにはひどく痩せていた。

彼を釈放するまで、彼の親族は大変な苦労をしていた。
日々の食事の差し入れや、釈放手続きを進めるための賄賂など、苦労が耐えなかった。
釈放された日は、親族中が自宅へ集まり、Jorgeを歓迎したと聞いている。

Jorge「まるで冠婚葬祭の時みたいでした。」
今日、感慨深い表情で彼が僕へ語ってきた。

僕は、病気になって死ななくてよかった、と素直に思った。
彼から聞いた留置所の生活は、過酷の一言に尽きる。
例えば、

・お金無しでは、留置所内のスペースを確保できない
  − 警察へ賄賂を払わなければ、トイレ付近へいることを強制される、または座るスペースすら与えられないことがある

・留置所内は、床で雑魚寝
  − 寝る時は、何かを敷くことも掛けることも許されていない。Jorgeは夜中、ひたすら座っていたそうだ。

・警察からの暴力
  − 壁の前に立たされ、「殴れ」という指示。本気で壁を殴らないと、警察官に暴力をふるわれ、いつまでもやらされる。Jorgeは壁への頭突きを命じられたとのこと。
  − 警察からの暴力は日常茶飯事。Jorge曰く、「警察の仕打ちは、自分らをゴミ袋とみなしているようだった」とのこと。

・ご飯は、一日一食
  − お昼にのみ食事が配給される。身内がいる人は、彼らに差し入れを持ってきてもらう。そうしないとあっという間に病気になるからだ。

書き出すとキリがないので、このへんでやめておく。
興味のある方は、僕へ直接聞いていただきたい。

今回の出来事で、僕は何度か、モザンビークの警察官と話す機会を得た。

はっきり言って、知り合った10人近い警察官のほとんどが『人間味のない』人だった。
利己的な人と言ったほうがいいのだろうか。
被害者からもお金を取ろうとする姿勢には、「何を考えて生きているんだ?」と疑問に思った。

※知り合った中の一人だけ、賄賂を(ほとんど)要求しない立派なおじちゃんがいた。が、残念ながら彼は実務能力が乏しく、全く役に立たなかった。

人間味のない彼らが権力を持っているのは、とてつもなく恐い。
警察とどう付き合っていくのか、よく考える必要がある。

Jorgeに関しては、来月から再び勤務を開始してもらう。
5月は一台の車両を2人のドライバーで回し、その間に2台目を調達する。

僕の最初の考えは、
「早くても6月にしか車を調達できないので、他に仕事口が見つかったら遠慮しないでいい。」
というもので、実際、今日Jorgeに会った時にそう伝えた。
しかし、Jorgeから上記の二人体制の提案があり、他のドライバー(今稼働しているタクシーの運転手)からも同意を得られたので、じゃあそうしようということになった。

彼の提案を聞いた後や、他のドライバーが同意してくれた時、僕は淡々と話していた。
が、内心はかなり嬉しかった。

こうしたいい人達がいるから、僕はモザンビークで生活ができている。
僕が日本へ帰る時は、自己資金が尽きた時か、信頼していた人間に豪快に裏切られた時、と思っていただきたい。
(実はJorgeが車を盗んだ、といったのも、豪快な裏切りに入る)

今回は以上です。

2016/04/21

タクシー消える

先週、自分の所有するタクシーが盗まれた。
そして、ドライバーが留置所へ入った。

初めに伝えておくと、僕はモリンガ事業以外に、副業としてタクシー業もやっている(2台体制の小規模だが)。
モリンガ事業は収益化まで時間がかかる、そう思い、独立した時に始めた。
車が壊れたり、ドライバーに車の又貸しなどされたり、なかなかトラブルは多かった。
それでも2年続け、ようやく少しは信頼できるドライバーとも出会え、軌道に乗ってきたところだった。

バッテリー交換したばかりだったのに。

盗難当日のことを記録してあったので、少し修正して記載する。
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月曜日、ドライバーのJorge(ジョルジ)から連絡があった。
車が盗まれたようだ、とのことだった。
車が盗まれた場所でJorgeと落ち合い、話を聞くことに。

内容はこうだ。
月曜日、7時に車を取りに行った所、停めていた場所に車がなかった。
盗まれたと気付き、知人へ相談。僕へ連絡したのは7時50分頃。

僕、盗難された場所へ行く。
その時にはJorgeの呼んだ警察官が既におり、状況を検証することに。

Jorgeが仕事から戻ったのは、20時頃。その後、普段駐車している倉庫の前で働いている警備員に、1日の警備料50mtを支払い、家へ戻った。
※ 警備員は倉庫の見張りが本来の業務だが、ついでに見張っておいて、という形でJorgeが毎日50mt(約100円)支払っていた。駐車スペースに問題のあるナンプラでは、よく使われる手段だ。

その夜に勤務していた警備員曰く、その30分後ぐらいに何者かが車に乗って立ち去ったという。 彼はそれを、Jorgeだと思ったらしい。

状況を掴んだところで、警察官が謝礼の話をしてきた。
彼曰く、様々なネットワークを駆使して車を見つけることは可能とのこと。それにはお金が必要だし、謝礼も要求するとのこと。
相場がわからなかった僕は、彼の要求する5.000mt(約1万円)で了承した。
2.500mt(約5千円)を経費として前払いし、依頼が完了。僕とJorgeは近くの交番へ行き、事情を説明しに行った。

交番では、昨夜働いていた警備員が怪しいということになり、電話で彼に来てもらうよう話をつけた。
が、約束の時間の12時になっても彼は交番に現れず、Jorgeが再度電話したところ、電源が切られていた。

その後、手続きは交番より上の管轄で行われることになり、Namicopoの3a esquadra(第3派出所)へ。そこで警察部長(女性)と話し、今度は警備会社のナンプラ支部へ行き、昨夜の警備員2人の情報を入手した。

帰りがけ、後ろに乗っていた警察官がたまたま泥棒を発見し、捕まった2人組は僕の車で護送することに。なんて日だ。

再び警察署へ。調書をとり、Jorgeは警察署へ残ることに。
重要参考人として仕方のない措置だと思うが、犯人扱いしてる警察官の対応はちょっとひどいと感じた。
ここでも警察官(Mr.Mario)と交渉し、車の捜索を依頼した。彼には前金として500mt(千円)払った。謝礼額は合計3.500mt(七千円)で手を打った。

期待できるかわからないが、何もしないよりはマシだろう。
ここの警察は、お金を払わなければ、動かない。

Jorgeが不便。
彼が留置所を出るまで何日かかるのだろう。
早く犯人が見つからないと、彼と彼の家族の生活が大変なことになる。
僕にできることは何なのか、考えろ。この1週間が勝負だろう。

17時ぐらいに僕は解放された。
その後警察署近くのお店へ入り、Jorge用の差し入れ(水、ジュース、クッキー)を買った。
調書を作成していた警察官へも、コカコーラとクッキーを提供。
そのおかげか、僕の携帯番号を紙に書いてJorgeに渡すことに成功した。
※彼の携帯番号は警察に没収されたため、彼が家族へ僕の連絡先を伝える手段が必要だった。

帰宅後、Jorgeの家族から電話が入り、明日から差し入れを持っていくと報告があった。
彼の家族から、「これからどうすればいいんでしょう?」と質問があったが、それは僕にもわからない。
まず1週間程度、警察の動きを見てみるしかないんじゃないか?少なくとも動きはあるので、結果をみる。

最初、ドライバーから盗難の連絡を受けた時は、かなり悲観的な考えが頭をよぎった。

今は落ち着き、こういうこともある、これも経験、と考えられている。
物事に動じない力、少しは身に付いてきたかもしれない。
なぁに必ず事態は好転する!僕はそう確信してる。
これは必ずプラスになる出来事だ。そう信じてる。

車が見つかったら(見つからなくても)、自家用車のHirux Surfを売却し、そのお金でタクシー車両+自家用車(VitzやFitのような、四駆でない車)を買う。
分裂の術、と勝手に名付けたこの手法、果たしてうまくいくのか。

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こんな感じだ。
先週は終始、警察署へ行き、手続きに時間を奪われた。
日本とは違う現地の警察の仕組み、次の投稿で紹介したいと思う。

最後に、昨日久しぶりに農地を訪問したので、その時の写真を載せる。
もう雨季も終わる。これから寒い季節に入っていく。

豆とモリンガ
雨季の終わりのモリンガ
今季植えたモリンガ

2016/04/10

「俺の家を紹介する」そんなヒッチハイク方法に引っかかった土曜

最近、知人の車の売却を手伝っている。
まあただ、購入希望者を探しているだけだが。

人づてやFacebookなどで希望者を探していたが、いまいち反応が悪い。
車がマニュアルだからか、現地で人気のない車種なのか、その両方か。
とりあえず現状を打開しようと、OLXという、個人広告を載せられるサイトを使ってみた。

メールでの連絡だけにしていたら、全く反応なし。
じゃあ電話番号も載せるか、ということで載せてみたら、翌日早速電話が入った。

「車を買いたいんだけど、12時に会えるか?」

おぉ、広告すごいな。相手が英語しか話せないのには少し困ったが、外国人ならお金も持っているだろうし、一括で支払える。
そう思い、早速売却主へ連絡。12時に会うことになった。

この後、話はおかしな展開をみせる。

購入希望者(以後A)と電話して、2時間ぐらい経っただろうか。
Aからメールが来た。

「車の移動中、交通警官に止められた。ポルトガル語で何を言っているのかわからないので、通訳してくれないか?」

みなさん、どうだろうか。
何を言っているのかわからないのは、Aだと思わないだろうか。

さっき電話しただけで、会ったこともない僕に助けを求める。
そんなに友達がいないのだろうか。

既にこの時点で、A=詐欺師という方程式が成り立ちそうだが、僕は一応通訳を買って出た。

A「あー助かった!今警察官と一緒だから、通訳してくれ。」
しばらくして、警察官(?)が電話に出る。

ニセ警官「どうも、こちら○○地区、△△検問所のJorge Guiambaと申します。実はこのAが、スピード違反と運転中の通話をしていたため、罰金が発生します。ただ彼は100$紙幣しかもっておらず、現地通貨で支払えないようです。繰り返します、場所は○○です。」

どうだろうか。
ニセ警官の発言には、3つのおかしな点がある。
全問正解できた人は、モザンビークにきても詐欺師に騙されないだろう。

1. 警察官は、自分から名乗りでない
というより、電話に出ることすら嫌がる。こんなに理路整然と話す警察官は存在しない。

2. 罰金の支払は、その場じゃなくていい
1週間以内に警察署へ払いに行けばいい。その場だったら賄賂です。

3. Aとコミュニケーション、とれてるのでは?
現地通貨で支払えない、のくだりはおかしい。お互いコミュニケーションとれてるんじゃないだろうか。

実はこれ以外にも、おかしな点はあった。
例えば場所。
Aは12時に町中で会う約束をしてきたのに、11時の時点で200km離れた検問所にいるという。
地名を警官から聞いた時、僕はその地名を知っていたが「まさかそんな所にいないだろう」と思い、横にいた現地スタッフのアブドゥルに電話を代わってもらった。
確認してもらったところ、やはり200km離れた場所だった。

アブドゥルから電話を受け取る際、通話を切った。
A番号からの着信拒否設定をし、知人へ連絡
「ごめんなさい、購入者じゃなく、詐欺師からの連絡でした。」

詐欺師がどういう手段で騙そうとしたのか、僕はまだ知らない。